遊爺札幌競馬塾

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2019年 フェブラリーステークス回顧

藤田菜七子騎手がコパノキッキングで出走するということが大きな注目を集めていた今年のフェブラリーステークス。

普段はフェブラリーステークスなど報じることのないようなメディアまでが今年のフェブラリーステークスを報じていましたね。

 

しかも、ただ出走するだけでなく上位人気となるコパノキッキングでの出走となり、勝機もあると見込まれてのものだけに只ならぬ話題となったようですね。

そのあたりも踏まえながら回顧に行ってみましょう。

 

レース回顧

1番人気に推されたのは未勝利戦から6連勝でG2東海ステークスを完勝してここに挑んできた武豊鞍上のインティでした。

前日の時点ではインティの単勝オッズは2倍台前半だったのですが、最終的には2.6倍となりましたね。

人気の面で言うと古豪ゴールドドリームが当日になって人気を集めてきて、最終的にはインティに迫る3倍にまで人気を伸ばしてきました。

状態の良さが伺える出来でしたが、それが人気にも現れたのでしょうか。

注目のコパノキッキングと藤田菜七子は最終的には9.4倍の4番人気に。

こちらは前日売りではかなり人気を集めており、6~7倍程度だったのですが、当日になって人気を落としましたね。

「応援したいけど流石に難しいよね」と、判断した方が少なくなかったのでしょう。

 

まずスタートですが、いきなりノンコノユメが大きく出遅れてしまいました。

それ以外の馬は概ね良好なスタートで、コパノキッキングも綺麗にスタートを決めています。

逃げることも予想されたサクセスエナジーはそれほど無理に行かせなかったため、インティが難なく先頭へと。

インティから1馬身程離れて、サンライズソア、サクセスエナジー、モーニン、ワンダーリーデル、オメガパフュームが続いていき、人気のもう1頭、ゴールドドリームは中団、コパノキッキングは抑えて最後方に控える形。

大きく出遅れてしまった昨年覇者のノンコノユメは馬群に追いつこうと気合をつけたものの、勢いがついて一気に馬群の中団にまでポジションを上げていっています。

 

楽に先頭をひた走るインティの600m通過は35.8。

このクラスのレースとしては明らかに遅めのペースとなりましたが、誰もインティに競り掛けては行かずに馬群はそのままコーナーを迎えていく。

直線に入り、インティは馬なりのまま。

続いていく馬達が仕掛けていくタイミングから一拍置いてインティ鞍上の武豊の手がようやく動き、追い出し体勢に入るや後続を2、3馬身突き放す。

コパノキッキングは最後方の位置から直線に入るところで大外に持ち出して追撃態勢に。

インティが3馬身程のリードに広げ、馬群の中からはゴールドドリームが手応え良く浮上し、残り200を切ったあたりで勝負はこの2頭に絞られる状況。

ラスト100を切ったあたりでインティの脚色がやや鈍ったこともあり、ゴールドドリームが猛追。一完歩ごとにその差を詰めてくるも、インティが最後まで粘り切り1着でゴール。ゴールドドリームはクビ差まで詰め寄るも2着まで。

3着は4馬身離れて内からしぶとく伸びてきたユラノトが入り、大外から懸命の追い込みを掛けたコパノキッキングは勝ったインティから1秒離された5着に入線。

 

インティは武豊が実に巧みな騎乗を見せたこともあり、見事に勝利を手にしました。

誰も先手を主張しなかったことで全く無理することなく先頭に立ち、絶妙にペースダウン。他の騎手もペースが遅いことはわかっていながらも手が出しにくいという実に見事なペースメイクを見せました。

戦前より武騎手はこの馬に十分な斬れもあることをコメントで示唆しており、ある程度は溜めたレースをしても十分に斬れ負けしないと見込んでいたのでしょう。

陣営が東海ステークス前に不安視していた左手前でばかり走って右手前に上手くチェンジ出来ないという点がここに来て露呈してしまったものの、それでもゴールドドリームの追撃を凌いでしまいましたね。

これについては武騎手も開き直り気味に「こういう馬」と割り切って無理に手前を替えさせようとしなかったようですね。

この馬の持つ弱点を鞍上の巧さがカバーしたようなレースとなりました。

さらなる上積みがあるようならルヴァンスレーヴとも互角以上に戦えるかもしれませんね。

 

唯一34秒台の豪脚を繰り出し、インティにただ1頭迫ったゴールドドリームでしたが、インティにはあと一歩届きませんでした。

東京大賞典の時には万全ではなかったのか、やや物足りない印象も受けたのですが、ここでの走りは本来のこの馬のものだったと思います。

もう少しペースが上がっていたなら勝っていたのはこの馬だったでしょう。

ルメールの騎乗も流石と言えるもので、この難しいペースの中でゴールドドリームにとって前過ぎず、後ろ過ぎずの位置を確保して直線で末脚を爆発させました。

この馬がこれまでに見せたベストパフォーマンスであったのではないかとさえ感じられました。6歳にしてついに完成の時を迎えたのかもしれませんね。

 

大きな注目を集めたコパノキッキング

藤田菜七子はスタートを綺麗に決めながらも馬を上手くなだめて芝馬場からダート馬場に入ったあたりで後方に馬を誘導、気合をつけて勢いがついてしまったノンコノユメとは対照的に落ち着いた騎乗で、馬との折り合いをつけながらじっくり待機。

内でごちゃつくのを見越して外に持ち出して懸命に追い上げましたが、流石にこの遅いペースでは5着まで持ってくるのが精一杯でした。

この騎乗は概ね、陣営から支持されていた通りのものではないかと思われます。

戦前に馬主の小林氏は距離的な不安があったことも踏まえた上で「芝ではダッシュはつきにくいだろうから後方に控えて」ということを指示しようということを明かしています。

恐らく、藤田自身はその指示を忠実に守った騎乗に徹したのだと思いますが、結果的に展開が向きませんでしたし、仮にマーフィーが継続騎乗していたとしても恐らく結果は大差なかったんじゃないかと思いますね。

今回、藤田騎手の実力に対する厳しい評価も見受けられましたが、少なくともこのレースに於いては十分に合格点がつけられるものではなかったかと思います。

 

今の日本のダート戦線はマイルから2000mの距離に偏ったものとなっており、トップクラスの馬が繰り返しビッグタイトルを得ることが多くなっており、そうした意味では頂点に立っていたゴールドドリームにインティ、ルヴァンスレーヴが並びかけていっています。

それに対してスプリンター路線、長距離路線には目指すべきレースが少ないという課題もあるのですが、そうした意味に於いてはコパノキッキングは今後目指すべきレースが限られてきてしまうだけにマイルにメドを付けたかったところでもありました。

 

各競馬場がそれぞれ違った経営を行っているアメリカでも似たような状況ですが、この点に於いては芝もそうした歴史を経てきているようにレースの多様性を持たせていってほしいところですね。