遊爺札幌競馬塾

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シュヴァルグラン、キングジョージ出走へ

2017年のジャパンカップを制するなどの活躍を見せているシュヴァルグランが英国競馬の最高峰のレースの1つとして知られるキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスへの遠征を行うとの発表がなされました。

元々、昨年の有馬記念を最後に引退、種牡馬入りという予定だったシュヴァルグランでしたが、これを撤回し、現役続行していました。

その現役続行の理由として、2019年に海外へと挑む、というプランが明かされています。

3月のドバイシーマクラシックに出走したシュヴァルグランは3頭遠征した日本馬の中では3番手という前評判でしたが、レースではしぶとい伸びを見せてオールドペルシアンの2着と日本馬最先着を果たしていました。

近代競馬発祥の地として有名なイギリス競馬の中でもダービー、チャンピオンステークスと並び、最高峰の格と水準を誇るのが、キングジョージでもあります。
時期的には夏期に行われていますが、仮に日本のレースで例えるなら有馬記念あたりに相当するでしょうか。

かつてシュヴァルグランの父であるハーツクライが挑み、3着となったこともありますが、これまでに日本の馬がこのレースを制したことはありません。

単純にシュヴァルグランがこれまでに示してきた能力などから考えると、勝ち負けに持ち込むのはそう容易なことではないだろうと思います。
ただ、その一方でドバイシーマクラシックでも好走しているように一瞬の斬れはないながらも多少パワーを要する馬場には適性を示してもいましたから、全くノーチャンスでもないんじゃないかと思います。

この挑戦についてだけではない話でもありますが、個人的に思うのは「良く挑んだ」という気持ち。

ファンにしてみれば所詮は他人事でもあるので、気軽に海外のビッグレースへと挑むことに肯定、或いは否定していたりもしますが、実際に遠征を行おうという関係者にしてみれば非常に大変な事となります。

恐らく海外へ挑もう、と決まってからはどのレースにどのようなプランで出走するのかを様々な側面から検討していたはずです。
輸送プラン、現地の受け入れ態勢の確保、通訳なども含む各種スタッフの手配、検疫や輸送に伴う負担を如何に軽減出来るかの各種手配、それらに伴う費用の捻出、出走に向けてのスケジューリング、などなどやらなくてはならないことがこれでもかと待ち受けることになります。
ゲームなどでは至極簡単に海外レースへと出走出来ますが、現実は非常に大変なものとなります。

馬主の佐々木氏がただ費用を負担すればいい、というものではありません。
いわば一大プロジェクトと言っていいものになります。

ドバイシーマクラシックは主催者がサポートしてくれる面が少なからずあるレースでもあり、そのハードルはやや低くなるのですが、キングジョージは決してそうではありません。

もちろん、主催者の側としても国外の実力馬が出走してくれることのメリットはありますので、サポートしてくれる部分はないわけではないですが、殆どの手続きや手配は厩舎など関係者が行っていかなくてはならないわけです。

2、30年前と比べればそうした海外遠征のノウハウはだいぶ築かれてきているので、そうした点では確実に進歩していますし、良い状態で馬を送り出すことも出来るようになってはきていますが、やらなくてはならないことは満載で、厩舎の側でも気楽に「海外に挑みましょう」と、言われたから「はい、行きましょう」なんて軽いものではないんですね。

それだけ大変な労力と費用を必要とするのが海外遠征の現実でもあります。

キングジョージに関しては1着の賞金は日本円にして約1億円となっています。
イギリスのレースとしてはかなりの高額で、一昔前から比較すると相当高騰した賞金額なのですが、日本と比較すればそれでも見劣りする額でもあります。
はっきり言って儲けるために行くにはデメリットの方が大きいと言わざるを得ないかと思います。
仮にキングジョージを勝つようなことがあっても種牡馬としての価値は恐らくそれほど高騰しないと思います。
キングジョージを歴史的な大勝を収めたハービンジャーですら数億円程度で購買されているように決して種牡馬として高い評価がなされるレースではありません。

この挑戦、お金の為ではないでしょう。

幸い海外初戦となったドバイシーマクラシックの2着で1億数千万円を得ることが出来ていますので、金銭面の不安は既にないのではありますが。

これは馬主の佐々木氏は勿論、厩舎関係者なども含めた陣営の夢に挑むプロジェクトだと言っていいと思います。

正直言って尊敬すらしたくなる姿勢だと感じます。

私自身そうですが、なかなか難しいことに挑んだり、物凄く面倒なことって出来ないもんですよ。
そんな挑戦を「夢」という原動力で行うんですから。


夏、夢は形になるのでしょうか…?